歯医者さんてわからないこと多すぎ !?

2018.03.29

 

あっという間に今年も3ヶ月が終わりに近づき、桜の季節になって来ましたね。今年の花粉はもの凄く朝起きると目が開けられない、院長の遠藤です。

さて、タイトル通り今回はこの内容で記事を書きたいと思います。

 

これは歯科関係者でない私の知り合いによく言われる事なんですが、実際自分も身内に歯科関係者がいなかったことから歯学部に入学してから『あー、そうゆうことなんだぁ。』と思った事が幾度となくありました。

 

今回、2月の終わりに日本の歯科メーカーで最も大きくて有名な会社の1つであるGC社で若い歯科医師の先生方に「患者コミュニケーション」というお題で講演した事、

3月はじめには開業塾という開業したい歯科医師の先生に対しても講演した時に、同じ様に患者さんとのコミュニケーションが大事という話しを続けてしましたのでその内容を中心にアップできたらと思います。

 

歯科医院においてのコミュニケーションってなんだろう?

と思う方もいると思いますが、まずコミュニケーションとは、

「社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと」引用wikipedia

 

しかし、歯科医院においてのコミュニケーションは一般的なコミュニケーションと趣が変わり、ただ患者さんと仲良く話せば良いということではないと考えています。

 

我々歯科医師が患者さんに対してできるコミュニケーションとは2つ。

 

①治療の選択肢を提示すること

②治療のスタートからゴールまでの地図を描き、伝えること

どういうことかというと、

①に関しては、まず歯科治療には正解はありません。

 

歯科治療のややこしい事の1つに挙げられるのが、歯科には保険治療と自費治療があるという事です。

医科にも自費治療はあるのですが、医科の場合は概ね保険治療の範囲でベストな治療が受けられることがほとんどです。

 

しかし、歯科においては保険治療でできることも多いのですが、基本的に保険治療だけでは歯科治療の100点には届きません。

理由は歯科治療は材料を使用することが多いからです。

 

日本の保険治療で認められている材料は、世界の歯科においてベストな治療法ではないことが多いです。

そのため、100点の治療を目指すには自費診療というものが関わってきます。保険診療でできることもあるので、部分的に保険治療と自費治療が混在してきますが、基本的に混合診療は認められておらず、パートごとに「ここを自費治療にしてしまったらそのあとも自費診療になります」「ここまでなら保険治療でOKで、そのあとは自費診療も選択できます」と、とても分かりづらいものになります。

しかし、そうは述べてきたものの、この100点の治療法がその患者さんにとっての100点の治療法とは限りません。

 

なぜか?

 

この100点の治療法とは、治療技術として保険治療で出来ないことも可能になり、見た目的にも歯の長期予後も見込めますが、費用がかかります。

 

費用面も考えるのは当たり前です。

だからこそ、治療法の選択についてはきちんと患者さんに説明する必要があります。

患者さんにとっての正解が正解。価値観は患者さんそれぞれ違うのは当たり前なので、それを踏まえた治療方針の決定が大事になる

 

と我々は思っています。

 

保険治療と自費治療、どちらもメリットデメリットがある訳なので、治療1つにとってもこれを事細かく患者さんに説明する意味はあると考えています。

当院では歯科医師や歯科衛生士が患者さんに説明することを特徴としています。そして有用な情報を常に提供できるように、知識に裏づけされた説明をできるように常日頃、院内でも院外でも勉強して研鑽しています。

 

 

 

 

自費治療については、材料が〜と、話しをしましたが、技術面でも高いものが求められるため、自費治療を患者さんに提供するには技術面でのアップデートも常に必要になります。

当院の方針としては、まず100点になるような治療方針を説明します。その中でできること、できないことを患者さんに選択してもらっています。

 

 

 

そして、②はどういうことかというと、まず、

 

歯科医師にとって一番求められる能力ってなんだかわかりますか?

 

手先の器用さ等技術面の部分をパッと思い描く方が多いかもしれません。

もちろん、先ほど述べたように自費診療をする場合など高度な技術が求められるため、必要なことなのですが、

1番の求められる能力は

 

『診断力』

 

と考えています。診査・診断の重要性になりますが、

例えば研修医が上の先生に「この治療をやってください」と言われてやるのはそんなに難しいことではないのです。

それよりも診査して資料が揃ったところで、「どうやってこの患者さんを治療して、満足するようなゴールまで連れて行ってあげる?」と聞かれる方がよっぽど難しいのです。

地図を描くというのは、患者さんが初めて医院に来た時に主訴を聞いて、それを解決しながらお口の全体を把握して、痛くもなく、噛めるようにするためのスタートからゴールという治療方針を決めること。そして、その流れを患者さんに分かりやすく伝えなければなりません。

 

ここでまた大事なこととして、我々が考えたベストな治療法を患者さんが受け入れてもらえなければ何の意味もないということです。

 

それぞれの歯に選択肢を提示して納得して受けてもらうことは、患者さんに自分の歯の状況や今後の治療の内容を本人がよくわかってもらうことに繋がります。

 

それができるようになると、歯科治療の中断がなくなります。

痛みがなくなったら歯科医院に来なくなる。

もともと歯医者が嫌いだったら、そう思うのも無理はありません。

 

しかし、

 

中断することにより、助けられた歯も助けられなくなってしまうことあ多々あります!しかも、結果お金と時間がよりかかってしまうことがあります。

 

患者さんがこのようなことにならないよう、伝えるというコミュニケーション。歯科治療にとっては本当に大事な事の1つです。

だいぶ長々になってしまいましたが、歯科医院では一昔前は数が足らず、患者さんで溢れかえっていたため、中々説明する時間がなかったこともあるかもしれません。

ただ、今は歯科医院が過剰と言われている時代です。

ただ、私は過剰だと思っていません。このぐらいの数があれば1人の患者さんに歯科医師がちゃんと時間をかけて説明しても、足りない!と言って困る方が少ないからです。

 

当院では、顕微鏡歯科治療にも力を入れています。

顕微鏡を使用する事で、精密な歯科治療ができるということは明白な事実ですが、それ以上に大事だと思っているのは、治療内容を記録できること。

 

何をやっているかわからないから怖い、というのも歯科治療はあると思っていて、治療前後の内容を終了後に即座に患者さんに見せることができ、説明することができる。

これは最強のコミュニケーションツールではないかと思っています。

当院では歯科医師だけでなく、歯科衛生士も使い始め、もっとうまく出来るように、説明できるように、関西から歯科衛生士の方に講師になって来てもらい、3ヶ月で院内セミナーを毎月開催しました。

 

5月に開業する分院も顕微鏡を4台設置予定で、本院・分院共に全ての治療チェアで顕微鏡設置が当面の目標です。

 

最後に、

コミュニケーションだけ上手くても歯科治療が伴っていなければ、詐欺商法と一緒になってしまうと考えていますので、今後も当法人では全スタッフが昨日より今日、今日より明日、歯科治療知識・技術のレベルアップするように頑張って行きたいと思います。