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根管治療とインプラント治療、どちらが良い? ~相模原市橋本のエンドウ豆の歯医者~

2019.08.09

根管治療なのか?

インプラント治療なのか?

 

そのように他の歯科医院で言われて、来院される患者さんが最近増えています。

 

今夏の暑さにびっくりしています。理事長の遠藤です。

 

さて、このような状況はどういう時かというと、

既に根管治療をされていて、その歯が痛み出したり等の再治療が必要になった時です。

根っこの先端に膿がたまり、骨を溶かしている状態です。

上記の歯をレントゲンやCTで見ると根の先が黒くなっているのがわかるでしょうか。

骨を溶かしてしまっている状況です。

この病巣は根尖病巣と言うのですが、原因は根管内の汚れです。

既に白色のお薬が入っているにも関わらず、炎症を起こしてしまう。

細菌の感染が原因ですが、どのタイミングで感染してしまったのかはわかりません。

 

実際、少々古いデータですが、2004年の根管治療の成功率で言うと、

一度も根管治療をした事のない歯の成功率は90%

その中でも既に根尖病巣がある歯80%まで落ちます。

一度根管治療した歯では、70%にもなってしまうのです。

(Salehrabi R,(IEJ.2004),  Gorni FG,(J Endod,2004))

 

ここまで言うと根管治療をしないのが一番なんですが、それはまたの機会に。

 

では、上記のような透過像があった場合、根管治療しますか?抜歯しますか?

当院では、根管治療が第一選択になります。

治る可能性があるなら、自分の歯を残した方がいいからです。

 

では、上記のようなケースはどうでしょうか?

他院では何回根管治療しても治らないから抜歯で、インプラント治療かもしれない。

と言われ、患者さんが残したい気持ちが強かったため遠いところから受診した私の知人です。

 

 

CTを撮ると、大きな透過像があるのが分かります。

CTだと断面図も確認できるので、金太郎飴みたいに輪切りになった違う方向から

見たのが下の画像です。

お分かりになるでしょうか?

赤い矢印の先を見てもらうと、黒い線があります。

これは未処置の根管です。

そしてこれが原因で炎症を起こしていたのです。

顕微鏡で作業して確認すると、小さい穴みたいに見えます。

これが未処置の根管で、炎症の原因でした。

結果として治療をする事ができ、歯を残す事ができましたが

ここまで残す作業には時間をかけなければいけないので、材料も含め保険治療の範疇を超えた治療になります。

 

ここまで来ると結論が出て来るのですが、

基本大事なことは、

自分の歯をいかに残す事ができるのか?

なので根管治療ができる歯であれば、それが第一選択です。

では、インプラント治療は必要ないのか?

いいえ、そんなことはありません。

自分の歯をいかに残す事ができるのか?に大きく貢献する事ができるのがインプラント治療です。

 

ん?

 

と思いますよね。

矛盾しているのではないかと。

違うんです。根管治療とインプラント治療は同じ話題で話す事が違っているのです。

残せれば根管治療。歯を残すことに全力を尽くす。

どうしても残せなかった際の第一選択としてインプラント治療は利点が大きいのです。

インプラント治療の利点をざっくりとまとめています。

専門用語あり、分かりずらいところもありますが、

⑴⑵は天然歯を守るのに大きく寄与している利点です。

上記の真ん中の歯は破折してしまい抜歯しなければならないですが、

両隣が天然歯だっためインプラント治療のを選択しています。

天然歯を削らないのが、1番の歯の寿命を残す要因なので、

インプラント治療が有用な場合の1つです。

 

⑵の例です。

奥歯がなくなってしまうと前歯に負担がかかります。

奥歯に歯を入れないと前歯に負担がかかりすぎて、揺れてきたり、

最悪抜かなければならなくなります。

入れ歯でもいいのですが、入れ歯が嫌だとインプラント治療が有効になります。

インプラントを入れたことで、グラグラしていた前歯の揺れが止まり、保存する事ができています。

 

このようにインプラント治療も大きなメリットがあります。

もちろん、デメリットもあります。

その診断が大事なのですが、それは担当医と良く話して患者さんご本人に決めてもらうようにしています。

 

インプラント治療が良いのか、根管治療が良いのかはその歯の状況により異なるということです。

 

当院では、根管治療の専門医の先生に紹介することも多々あります。

それは少しでも歯を残す事ができればと思っています。

自費治療になってしまいますが、その価値を選択するのは、歯は1本でも患者さんご自身の身体の一部なので、

患者さん本人が決めて頂く必要があると考えています。

 

根管治療とインプラント治療。

どちらも大切な訳ですが、根管治療のセミナーの講師も2社から承って行っています。

ラバーダムという表記が見えますが、これは次回書きたいと思います。

そして、

インプラント治療のセミナー講師については、若い先生向けにこれからインプラント治療を始める先生のために、

その良さや手技を複数の先生とともに、コースで定期的行っています。

 

当たり前ですが、院外で活動しているということは、

院内の歯科医師にはすべての講演を共有しており、

根管治療もインプラント治療も精度が上がるように、日々切磋琢磨しておりますので、

私以外の歯科医師も確かな技術・診断力を持っているので、安心して受診していただけたら幸いです。

 

特に、不安なことがあり、セカンドオピニオンに関しては積極的に、

それが治療途中でも受け入れておりますので、

ご連絡・予約の上、受診していただけたらと幸いです。

 

途中にも書きましたが、次回は患者さんにも聞かれることが多くなったラバーダムについて更新したいと思います。

ちなみに、当院では保険診療でも自費診療でもラバーダムは必ず使用しております。