歯周病ってどんな病気?

2021.12.06

2021年も残り僅かになりました。

皆様にとってどんな1年だったでしょうか?

私は新しい事に挑戦したり生活環境も変わりあっという間の1年でした。

歯科医師の嶋田です。

 

過去のブログ(2019年8月26日)で歯周病治療の流れについて掲載させて頂きました。

当院は日本歯周病学会の歯周治療の指針に乗っ取り治療を行っています。

 

今回は歯周病とはどんな病気なのかお話ししたいと思います。

歯周病とは主に細菌の感染により引き起こされ、歯の周囲の組織(歯肉、骨)を破壊していく炎症性の病気です。

歯と歯茎の境目に残った磨き残しに細菌が集まり歯茎に炎症を引き起こします。

進行すると歯が揺れ始めて最終的には歯をを抜かなければならなくなります。

(現在抜歯の原因で一番多いのは歯周病です)

 

また働き盛りの35歳〜69歳では歯周病の罹患率が80%を超えるほどになります。

Red complexと言われる歯周病に強く関係している細菌層の中にいる

P.gingivalis菌は50歳以上の2人に1人は存在しているという報告もあります。

 

そして全身疾患にも大きく関係します。

糖尿病と歯周病がお互い悪影響を与えている事は有名な話ですが、

ここ数年は糖尿病だけではなくアルツハイマー型認知症や誤嚥性肺炎などの

多くの疾患にも関係しているといわれています。

 

細菌が増えやすい口腔内の状態としては、虫歯がある、歯石が多い、適合の悪い被せ物や詰め物がある、

歯並びが悪い、口呼吸、口腔内の粘膜異常などがあります。

また1日に10本以上喫煙すると歯周病になるリスクが非喫煙者と比べおよそ5倍になると言われています。

歯周病は歯肉炎(歯茎だけの炎症)、歯周炎(歯茎だけではなく支えいる骨にまで進行しているもの)、咬み合わせや咬み癖で進行する歯周炎とに分けられます。

 

 

実際の患者様の歯周病を改善させた症例を掲載させて頂こうと思います。

協力して頂いた患者様にはこの場を借りて感謝を申し上げます。

①歯肉炎になると歯の周りの歯茎が赤く腫れ出血しやすい状態になります。 レッドバンドと言われます。

歯周病の基本治療をしっかり行い患者様にも歯磨きを丁寧に行ってもらう事でここまで綺麗にレッドバンドはなくなります。

 

 

②歯周ポケットが8ミリ以上あった奥歯も外科治療を行う事で3ミリまで改善されました。

 

 

歯周病の治療は痛みが伴う上に時間ががり結果はすぐに出ないので根気よく通院し、

治療後も定期的に検診に通う事がとても大切です。

 

また歯科医師、歯科衛生士だけではなく患者様の協力が不可欠になります。

歯茎から血が出る、腫れている、口臭が気になる、口の中がネバネバする、

歯が揺れている気ががするなど口腔内の異変に気付いたら歯科医院を受診する事をお勧めします。

 

日々の研鑽を忘れず2022年も質の高い歯科治療を患者様に提供できるように心がけて行こうと思います。