歯周外科治療って?   〜相模原市橋本のエンドウ豆の歯医者さん〜

2019.08.26

こんにちは、歯科医師の嶋田です。

先日、日本歯周病学会 専門医の寺嶋先生に過去に勉強した歯周病治療のまとめと

歯周病の外科治療の実習をしていただきました。




先ずは歯周病の治療の流れについてお話ししたいと思います。
歯周病自体については機会があればまたここに書きたいと思います。

当院は日本歯周病学会の歯周治療の指針に沿って治療を行なっています。



歯周病治療へのアプローチは患者様全員に行なっておりますので、

長くなりますが、読んで頂ければと思います。


①先ずはお口の中状態の資料(口腔内写真、レントゲン、歯周基本検査など)を取らして頂きます。
痛みが強いなどの緊急性が無ければ治療からではなく、最初にこれを行います。
この資料を元に歯科医師は治療計画を立て、歯科衛生士と共有し患者様の治療に進みます。
複雑で長期に渡るような患者様には治療に入る前に治療計画の説明をするための時間を頂き、お話だけする事もあります。



②ここまできたらようやく治療に進みます。
原因を一つ一つ除去していく為に虫歯の治療や歯石の除去などの基本治療を進めていきます。

 



 

③基本治療が終わった段階で、再びお口の中の資料を取らせて頂き評価します。
その時に歯周ポケットが深く残っていたり、歯周病により組織破壊された歯周組織を再生したい場合などに”歯周外科治療”を検討します。



外科治療後は治癒の状態を確認し、次に進むか再度基本治療、外科治療を検討します。

④その後最終的に口腔内の機能を回復させるために被せ物、義歯、インプラントや、

必要な時には矯正治療を行い清掃性や審美も考慮した上で食事を美味しく食べれるようにします。




ようやくゴールが見えてきました。

⑤ここからは最終的な被せ物などに異常が無いか評価していき、

問題がなければメインテナンスに進みます。



歯周病は再発しやすい為メインテナンスはとても重要で、

ここで終わったと思い歯科に行かなくなってしまうとまた最初の基本治療からになってします。


定期的にメインテナンスを行い二度と治療する必要の無い状態を、

患者様と共に目指していければと思います。


前置きがとても長くなりましたが歯周病の外科治療とは、

深く残ってしまっている歯周ポケットや清掃性が悪く炎症の再発が起こりやすい場所、

審美障害が起きている時に検討し進めていきます。

 


外科治療は痛みが出たり一度で終わらない事もありなかなか治療の決断が出来ないと思いますが、

外科治療により大きく歯周病が改善して良好な状態を築く事ができます。



寺嶋先生から歯周ポケットを完全に除去する事を目的とした歯肉弁根尖側移動術、

歯茎が下がって根が露出し審美障害が生じている所や清掃性が困難な部位に

歯茎を移植する遊離歯肉移植術と結合組織移植術を教わりました。

豚の下顎を使用して実習しています。

豚の顎が人の歯茎に感覚が似ているので、セミナー等ではよく使用します。

今回の豚はお肉屋さんの患者様に提供していただきました。

ありがとうございました。

 


今回得た知識や技術にさらに磨きをかけ患者様に安心して歯周病治療を提供できればと思います。