歯の神経をとる?とらない? ~相模原市橋本のエンドウ豆の歯医者さん~

2019.10.29

朝晩に肌寒さを感じる季節になってきましたね。

こんにちは、歯科医師の近山です。

 

当院では、患者さんにより良い治療を提供するために、定期的に勉強会を開催し、

知識や技術のアップデートを行っています。

先日の勉強会では、恵比寿で開業医としてご活躍されている辺見浩一先生をお招きして、

「歯髄保存治療」について講演していただきました。

 

歯髄というのは、いわゆる歯の神経のことです。

しかし、実はこの歯髄は単に神経だけで出来ているのではなく、たくさんの血管が含まれているんです。

歯の断面図をイラストで見てみましょう。

 

赤い線が動脈、青い線が静脈、黄色い線が神経というようなイメージです。

歯の内部には歯髄腔と呼ばれる空間があり、そこに神経と血管の集まりである歯髄が存在するのです。

 

神経と血管、それぞれがとても重要な働きをもっています。

神経が痛みを感じとることで歯にとって何か悪いことが起きたときに、

それをいち早く察知するような防御機構や、血管があることでバイ菌による感染が引き起こされても、

それに対しての免疫機能が維持されます。

神経と血管、これらが1本1本の歯に通っていることで、歯は長期的に健康でいられるのです。

 

・虫歯が大きくなって歯髄にまで到達してしまった

・ケガで歯が折れて歯髄が露出してしまった

このような理由で、歯髄を除去しなければいけない場合もあります。

バイ菌による感染が進行するとやがて歯髄は死んでしまい、根っこの先端に膿がたまってきてしまうからです。

 

このような状態を放置すると痛みを自覚するようになり、ひどくなると抜歯しなければいけないこともあるため、

それらを避けるために歯髄の除去、いわゆる神経をとる治療が必要となる場合があることも事実です。

 

しかし、歯の健康にとって重要な役割を担う歯髄を除去するのではなく残すことを目的に行う治療こそが、

今回の勉強会のテーマである「歯髄保存治療」です。

講師の辺見先生曰く、この治療法が積極的に研究されてきたことで、

近年ではその手技や使う薬剤が確立されてきたため、安定した成功率が得られるようになってきたとのことでした。

だからといって、何でもかんでも歯髄保存治療が成功するわけではなく、

そこに至るまでの過程や実際の術式など、重要なポイントを1日かけてじっくりと勉強させていただきました。

 

 

それらについては細かすぎるため割愛させていただきますが、何かご質問がありましたらお気軽にお尋ねください。