歯周組織再生療法の最前線

2021.10.04

まだまだ暑い日が続いていますね。

医院長の新井です。

 

 

今回は「リグロスとサイトランスを使用した、歯周組織再生療法の最前線」

という講義と実技のあるセミナーを受けてきました。

広めの会場に、少人数の受講生や講師陣のソーシャルディスタンスの確保・維持、消毒の徹底など、

感染対策がかなりしっかりされたセミナーとなっていました。

 

 

歯周病によって溶けた骨や歯肉の減少は、ほとんど回復することがありません。

歯周組織再生療法とは、歯周病が原因で無くなってしまった骨や歯肉を再生させるための外科療法です。

 

リグロスというのは、近年日本で開発されたヒト塩基性線維芽細胞増殖因子というホルモンのような働きをする薬剤です。

これは世界初の歯周組織再生医薬品であり、2016年から使用されるようになりました。

 

 

様々な細胞に働きかけ、歯の周囲組織の再生を促す優れた特性があります。

以前は牛や豚などから作られる薬剤や材料が多かったのですが動物を使わないことも含めて、

歯周病治療において安全性有用性が日本で認められています。

 

また、サイトランスというのは同じく日本で開発されたシリーズもので、

骨の再生を補強する骨補填材や、骨補填材やリグロスが歯の周りに留まるように覆う人工膜などがあります。

 

このシリーズも動物由来ではないため、歯周病治療において安全性有用性が日本で認められています

これらを使うことでより、歯の周りの組織の再生量がより優れるという臨床実績や論文が多数でています。

 

歯周再生療法では切開も必須になりますが、

切開のやり方(歯肉の扱い方)・縫合の仕方1つで治癒結果が大きく変わってきます。

また薬剤の併用によっては今まで治せなかった症例も治るようになりました。

 

歯肉はかなり繊細なので、今回のセミナーでは切開のやり方や縫合、

薬剤の使い方を中心に講義と実技を教わってきました。

 

歯周病治療の実技では、豚の下顎を使い、より実践に近いトレーニングをしてきました。

アドバンスの内容でしたが、難しい手技習得によって、治せる範囲が広げられます。

そのためにも日々研鑽し精進していきたいと思っております。