再根管治療の難しさ
2021.10.04
2021年も色々な事がありましたが残り3ヶ月になりました。
あっという間に一つ歳を取ってしまいました。歯科医師の嶋田です。
今回は根管治療の勉強会に参加してきました。
講師はこの分野において世界的に知られている寺内吉継先生です。
米国式根管治療における再治療をテーマに
二日間にわたり科学的根拠に基づいた講義と実習を受けてきました。
一般的に根管治療は歯の神経が虫歯などの細菌によって感染し進行した場合に行います
(患者さんと話す時はよく神経を取るなどと表現する事が多いです)が、
治療を行ったにも関わらず治癒していない場合に再び根管治療を行います。
初日は再根管治療を行う前の診査・診断についてのお話でした。
診断を間違うと治療の必要がない歯に対しても治療介入してしまい不利益な事しか起きません。
寺内先生は一般歯科医と専門医の違いは診断能力の差であると仰っていました。
初回の根管治療で治らなかった原因を診断する勘所を学んだ後、
再治療特有の実習も行いました。
2日目は破折器具の除去と外科的歯内療法についての講義と実習でした。
私の1番の目的は寺内先生から直接破折器具の除去について学ぶ事でした。
位置を特定し除去するまでの計画の立て方を学び、模型と実際の歯で実習をしていきました。
自分が破折器具除去を行った症例も見てもらいアドバイスを頂いたりとても勉強になりました。
外科的歯内療法についても診査・診断から使用器具、術式を学んだ後実習までしっかりと行いました。
今回は再根管治療の勉強会でしたが、
2回目以降の根管治療の成功率は40%まで下がる場合がある為、
成功率が90%近くある初回で失敗しない事が何より大事になります。
また近年歯科にも顕微鏡(マイクロスコープ)が導入され治療に必須なものになりつつあります。
寺内先生に”No microscope,No endo”という言葉とともに著書にサインを頂きました。
私もマイクロスコープを使って治療を行うようになってから
根管治療だけでなく全ての治療で精度が上がっていると日々感じます。
今回の勉強会で学んだ事を実践して
より精度の高い根管治療を提供出来るように精進していこうと思います。
根管治療の詳細については当院のHPにも書いてあるので見て頂ければと思います。