歯の根元が削れていく原因とは?

2018.12.07

こんにちは。急に寒くなってきましたね。歯科医師の新井です。

12月2日(日)に、NCCL(非う蝕性歯頚部歯質欠損)についての講演を聞いてきました。
講師の先生は、日本で一番NCCLに詳しいと思われる黒江先生という方です。

NCCLは、歯科ではくさび状欠損と言われる、むし歯が原因でない歯の付け根のすり減りのことを指します。
すり減りが進むと、歯が染みたり、神経が死んでしまったり、最悪歯が折れてしまうこともあります。

治療法としては、このすり減り部分に樹脂をつめますが、本数が多かったり、樹脂が欠けたり、すり減りが再発することもしばしばでした。

NCCLの原因は、咬合力が過度にかかり歯に応力が生じるため、と30年くらい前から考えられていました。そのため、NCCLがある場合は歯を削ってかみ合わせを調整したり、マウスピースを作るのが主流でした。

しかし、最近では歯磨剤の研磨剤と過度なブラシ圧がほとんどのケースの原因ではないか、という考えが増えてきたそうです。(様々な科学的根拠を教えて頂きましたが、そこは割愛させて頂きます。)
ブラシ圧が強いと歯ぐきが下がってしまうこともあるので、歯磨きのやり方は、かなり重要なんです。

 

また、酸蝕症(酸性が強いものを食べたり飲んだりすることで歯が溶けてしまう)や、ストレス(強く噛んでしまう)もNCCLを引き起こす原因となります。


痛みなどの自覚症状がないと、口の中で何が起こっているのかは、意外と知らない方が多いと思います。

むし歯がない状態でも、歯が欠損してしまうことを防ぐには、歯ブラシの当て方やブラシ圧の確認はかなり大切なので、ぜひ歯科衛生士にチェックしてもらってみてださい。