インプラント難症例・適応レベルを知る

2020.10.28

だんだん寒くなりこたつ鍋が定番になりそうな季節になってきましたね。

歯科医師の嶋田です。

 

先日インプラントの研修会に参加してきました。
講師陣を含め参加者全員が検温、消毒、マスク着用はもちろん

接触確認アプリのインストールを義務化し

定期的な換気を行いながら実施され、

研修会場も普段より広い部屋で

受講生の数も減らし距離を取りながら進められました。

今回の内容は通常通りのインプラント治療を行う事が

難しい症例に対してのアプローチを勉強してきました。

ややアドバンスな内容になりますが出来るだけ分かりやすく記します。

歯は簡単に言うと目で確認できる歯冠という頭の部分と、

顎の骨の中に埋まっている歯根という体の部分から成り立っています。

歯科におけるインプラント治療とは歯を失った顎の骨に対して人工の歯根を埋め込み、

人工の歯冠を結合させる事で機能回復を行っていく術式になります。

そのため顎の骨に人工の歯根を理想的な位置に埋め込む事が

出来るかどうかが重要なポイントになってきます。

歯が失われると顎の骨は少しずつ吸収され幅、高さがなくなっていきます。

吸収してしまった顎の骨のままでは人工の歯根を支える事が出来ない為抜け落ちてしまう事があります。

 

インプラント治療を行う場合は必ずCTを取り理想的な位置へインプラント治療を行えるのか

シミュレーションを行いますが、その際骨の幅、高さが足りず

理想的な位置へ人工の歯根を埋め込む事が出来ないと判断した場合

事前に骨を増やす処置が必要になります。

骨再生誘導法、GBR(Guided Bone Regeneration)、歯槽堤増大術などと呼ばれます。

 

今回は3日間に渡り、骨再生誘導法の講義・症例検討・豚の顎を用いての実習を受けました。

人間の顎の形態や鼻腔の形態の基礎的なところから診断の勘所、

使用する再生材料性質、選択基準や術式のポイントなどを研究データや臨床結果、

また講師の長年の経験からの私見も含めて多くの事を知ることが出来ました。

 

 

また手術に伴う合併症・副作用などのリスクへの対処などを症例を通して知ることが出来ました。

上顎、下顎に対してだけでなく前歯、奥歯に対しても術式は異なり、

骨の幅を増やすのか高さを増やすのか、どれくらいの骨量を増やす必要があるのかなどでも変わります