インプラント治療に必要なこと

2020.11.06

秋も深まり、朝晩には肌寒さを感じるようになりましたが、

いかがお過ごしでしょうか。

こんにちは、歯科医師の近山です。

 

先日、三軒茶屋で開業されている丸尾勝一郎先生のセミナーを受講してきました。

セミナー開催に当たっては、手指消毒やマスク着用、

会場の換気などはもちろんのこと、受講者も5名に制限するなど

新型コロナウイルス感染対策が徹底されていました。

 

またこのセミナーが特徴的だったのが、

事前にオンラインで講義動画を視聴することで受講者各々が理解を深め、

実習部分のみを会場に集まって行うというスタイルです。

セミナーの在り方もどんどん変わってきているなと実感しました。

セミナーの内容は、

日本口腔インプラント学会の専門医の資格を持つ丸尾先生に、

全5回にわたってインプラント治療の基礎から応用までをみっちり教えていただくというものです。

これまでに、初回と第2回を受講できましたので、

途中報告を兼ねてまとめていきたいと思います。

 

まず何よりもお伝えしたいことは、インプラント治療に限らず、

歯科治療を行う上で最も重要になるのは「診査・診断」だということです。

たしかにインプラント治療は有益なものではありますが、

診査・診断を蔑ろにして治療を推し進めるようなことがあってはなりません。

 

問診の時間をしっかりと確保し、患者さんの主訴や病歴、

治療に対するご希望などをしっかりと確認します。

また、レントゲン写真やカラー写真を撮影し、

お口の中の状態を正確に把握します。

場合によっては、歯型の模型を製作して歯並びの状態を調べることもあります。

必要となる診査を行って、それをもとに正しい診断をする。

そこで初めて治療を進めることができるようになります。

 

当院でも、診査の1つとしてインプラント治療の前には必ずCT撮影を行っています。

CTで撮影した画像は立体像であるため、

その画像データをもとに骨の高さや幅を3次元的に把握し、

被せ物の位置やインプラントを埋め込む(埋入といいます)位置をシミュレーションしています。

このシミュレーションの工程は非常に重要となるため、

インプラント治療に携わる歯科医師が集まって検討会を開いているほどです。

 

インプラントを埋入するために必要な骨の高さや幅は原則的に決まっているので、

骨が不足している場合には骨を増やす処置「歯槽堤増大術」が必要になることがあります。

詳しいことは以前のブログ記事にも掲載しておりますので、

ご興味がありましたら是非そちらもご覧ください。

https://endo-natural-dent.jp/blog/20200705/

 

治療に先立って綿密なシミュレーションをすることで、

その後のインプラント埋入や被せ物の型取りと装着を理想的なポジションで行うことができます。

そしてそれが結果的に長期安定へと繋がっていくのです。

 

丸尾先生の医院は、デジタルデンティストリ―に特化した医院でした。

デジタルデンティストリ―とは、歯科治療にデジタル技術を積極的に応用したもので、

特にインプラント治療との親和性が高いとされています。

前述したCT画像上でのシミュレーションはもちろんのこと、

埋入オペのガイドシステムや3Dプリンターでの被せ物製作などがそのシステムの恩恵を受けています。

さらに、口腔内スキャナを用いてお口の中の型取りをしているため、

従来の粘土のような材料を使った型取りと比べ、

その精度はさることながら、不快感がなかったり短時間で済んだりと、

とても魅力的な手法だと感じました。

 

残り3回で、インプラント治療の応用的な内容へと進んでいき、

知識をよりアップデートしていきます。

インプラント治療に興味や不安がある方、何かご質問がありましたらお気軽にお尋ねください。