低侵襲骨造成セミナーに参加
2021.12.06
今年も残すところあと1か月となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、歯科医師の近山です。
今回もインプラント治療についてのセミナーを受講してきました。
このセミナーは新型コロナウイルスによる状況を踏まえ、
当初の開催日程から延期となっていたのですが、基本的な感染予防対策を徹底し先日無事に開催されました。
講師は日本歯周病学会の歯周病専門医の資格を持つ山下素史先生です。
なくなった歯を補う治療の選択肢の一つとして、インプラント治療があります。
インプラント治療は、顎の骨にチタン製のネジを埋め込み、
その上に被せ物を装着するという方法です。
このインプラントが、お口の中で長期的に安定して機能するためには、
インプラントを理想的な位置に埋め込むことが極めて重要になります。
上のイラストで、中央より左半分はインプラントが骨の中にしっかり埋まっていますが、
右半分は骨から飛び出してしまっています。
このような状態ではインプラントの安定性が悪く、
インプラントが歯周病にかかってしまうリスクも上がってしまうため、
私たちは左側のようにインプラントがしっかりと骨に囲まれた状態を目指して治療を進めていきます。
そのためには、インプラントを埋め込みたい部位の骨の高さや幅が十分に存在していなければなりません。
しかし、抜歯をすると骨は段々と吸収されていくため、
結果として骨が痩せ細った状態になってしまい、インプラント治療が困難になる場合があります。
これを改善するために必要になるのが「骨造成」です。
骨造成とは、骨補填材(自分の骨や動物由来の骨、人工材料など)やメンブレン(人工膜)を用いて骨を増やす処置です。
一般的に、骨造成を行う際には歯茎を大きく切り開かなければならないため、
術後の腫れや痛みが強く出ることが懸念されます。
しかし、今回のセミナーは「低侵襲」をコンセプトに、
患者さんに与えるダメージの少ない骨造成を行えるような方法を教えていただきました。
侵襲性の大きい外科処置を闇雲に行うのではなく、
出来るだけシンプルで侵襲性の少ないテクニックを用いることは、非常にメリットが大きいと思います。
歯周病専門医の山下先生だからこその、歯ぐきや骨に配慮した症例はとても素晴らしく、
明日からの臨床に活かしていけるような内容がふんだんに盛り込まれていました。
今回学んだことを実践し、患者さんのお口の健康に貢献できるように、これからも日々努力していきます。